2026.09.02

  • #お役立ちコラム

点群データ デメリット6選|失敗を防ぐ対策と導入判断のポイント

点群データの主なデメリットは、データ容量が大きい、処理環境が必要、計測費用がかかる、ノイズが混じる、死角が欠損する、CADのように直接編集しにくい、の6つです。

間引きや計測位置の追加で軽減できる問題と、点群の性質上残る限界を分けて解説します。

執筆: bestat 編集部


点群データのデメリット6選と対策

デメリット

実務で起きること

主な対策

完全に解消できるか

容量が大きい

保存・転送・表示に時間がかかる

範囲分割、間引き、用途別の軽量データ

PC・ソフトが必要

読み込みや回転操作が重い

クラウド閲覧、処理済み形式で納品

取得・処理に費用がかかる

機材費、現地作業、合成処理が発生

外注、対象範囲と成果物の限定

ノイズや不要点が混じる

反射物や移動体が形状判定を邪魔する

除去処理、現地写真との照合

死角が欠損する

配管裏や機器下面に点がない

計測位置を増やし、必要面を事前指定

×

CADのように編集できない

部品交換や寸法変更を直接行えない

メッシュ化・CADモデル化を別工程にする

×

容量や閲覧環境は、取得範囲や納品形式を調整すれば軽減できます。一方、死角の欠損やCADのように編集できない性質は完全には解消できません。以下では、それぞれの原因と対策を順に解説します。

1. データ容量が大きく、保存・共有に時間がかかる

取得範囲や密度が上がるほど点数が増え、保存・転送・表示に時間がかかります。

原点群は保管用に残し、日常の確認には範囲を分割・間引きした軽量版を使います。

2. 高性能なPCや専用ソフトが必要になる

点数が多い点群は、一般的なPCでは表示や計測の動作が重くなります。納品形式に対応するソフトがなければ、データ自体を開けません。

発注前に、実際に使う端末でサンプルを確認します。閲覧だけなら、範囲を絞った軽量データやクラウドビューアでも対応できます。

3. 機材・計測・処理に費用とスキルが必要になる

点群計測には、機材、ソフト、現地作業、データ処理の費用がかかります。内製すれば設備投資と教育が必要になり、外注すれば計測ごとに委託費が発生します。金額だけでなく、自社に残る作業で比較します。

進め方

機材と保守

熟練者

処理の時間

閲覧環境

繰り返し発生する費用

機材を自社で持つ

自社

自社

自社

自社

機材の保守、ソフトの年額、教育

計測を業者に出す

業者

業者

業者

自社

計測のたびの委託費

処理だけ外に出す

自社

一部が業者

業者

自社

処理のたびの委託費

現状維持(図面と現地確認)

不要

不要

不要

不要

現地に行く旅費と人日、手戻り

どの進め方でも、納品データを確認する閲覧環境は自社に必要です。

4. ノイズや不要な点が混じり、形状を誤認しやすい

鏡面や黒色面、移動中の人や車両、複数回の計測位置のずれによって、点が飛んだり形が二重になったりします。ノイズを残すと、寸法の誤計測や不自然なメッシュの原因になります。

現地写真や基準寸法と照合して不要点を除去します。ただし、処理を強くしすぎると細い配管まで消えるため、残す対象を先に決めます。

5. 死角や反射しない面に欠損が生じる

スキャナから見えない配管の裏側や機器の下面には、点が入りません。黒色・鏡面・透明な素材も欠損しやすく、補間で作った面は寸法確認の根拠にできません。

別の位置から見える面なら、計測位置を増やすことで改善できます。どこからも見えない内部や接触面は、現地確認や図面で補います。

写真から点群を作る場合、空白のできかたが変わります。原因が陰から面の条件へ移り、模様の乏しい面や光る面では点が得られません。計測方式ごとの違いはフォトグラメトリとはで扱っています。

点の間隔が粗いと、細部を判別できない

点は遠い面や斜めの面ほど粗くなります。全体を高密度にするのではなく、確認したい対象に合わせて必要箇所だけ細かく計測します。

  • 通路を人と資材が通れるか。粗い点群でも判断できます

  • フランジのボルトが何本あるか。面が正対していれば読めます。斜めからしか測れないなら読めません

  • バルブのハンドルを回す空きがあるか。周囲の細かい部材まで点が要ります

「できるだけ高精度」ではなく、「何を判別したいか」を計測業者へ伝えることが重要です。

6. CADのように部品単位で編集できない

点群は座標の集まりで、部品名・寸法・設計履歴を持ちません。距離は測れても、CADのような寸法変更や部品移動はできません。

編集や部品管理が必要なら、メッシュ化・CAD化・属性付与を別工程で行います。

発注の前に計測業者と決めること

発注前に、次の4点を決めます。

  • 何を判別したいか

  • 誰がどの端末で見るか

  • 欠損時に取り直せるか

  • データをどこへ保管するか

特に、取り直せる日と計測位置を確認しておかないと、欠損したまま納品される可能性があります。

精度を上げても変わらないときの落とし穴

追加投資の前に、次の3点を確認します。

  • 実際の利用者がデータを開いたか

  • 再計測でスキャナの位置を変えられるか

  • 判別したい対象が決まっているか

位置を変えられなければ同じ死角が残り、目的が曖昧なら密度を上げても完了を判断できません。

よくある質問

点群データのメリットは?

測った時点の現況を3Dで残し、離れた場所から形状や距離を確認できることです。

点群データのデータ量はどのくらいですか?

範囲、密度、色情報、計測回数で大きく変わります。利用端末で開ける容量から、範囲と密度を逆算します。

3Dレーザースキャナの光は有害ですか?

安全性は使用する機種のレーザークラスによって異なります。人が作業している区画で計測する場合は、使用機種のクラス、立入制限の要否、目へ直接照射しないための手順を計測業者へ確認し、メーカーの安全指針に従ってください。

点群データの精度はどのくらいですか?

精度は機種だけでなく、距離、角度、対象物の反射で変わります。納品時に、必要な箇所を画面上で判別・計測できるか確認します。

取り直せば、点が無かった場所に点は取れますか?

別の位置から見える面なら、追加計測で改善できます。内部や裏面など、どこからも見えない場所には点を取れません。

まとめ

点群の容量・閲覧環境・費用・ノイズは、取得範囲や納品方法、外注範囲の調整で軽減できます。死角は計測位置を増やして減らし、測れない面は現地確認や図面で補います。

CAD編集が必要な場合は、点群のまま使わず、メッシュ化やCAD化を別工程として計画してください。


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bestat 編集部について

bestat株式会社は、東京大学 松尾研究室発の産業用3Dデータに特化したAIスタートアップです。製造業・インフラ・土木の現場で、画像・動画・点群・360度動画など、現実空間で取得される多様なデータを高精度に3D化し、取得・生成・処理・活用までを一気通貫して支援する「3D.Core」シリーズを開発・提供しています。 https://bestat-data.com/3dcore

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