2026.09.07

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2D図面を3D化するアプリ・ソフト6選|無料ツールと選び方

2D図面を3D化するアプリはあります。ただし、「図面を読み込めば自動で3D CADモデルになるアプリ」と「図面を下絵にして人が立体を作るCADアプリ」は別物です。さらに、間取り図と機械図面、イラストでは必要な仕組みも出力も異なります。

先に結論を示すと、住宅の完成イメージを見たいなら間取り専用アプリ、1点ずつ自分で設計するなら3D CAD、既存の機械図面をまとめて3D化したいなら図面認識型のAIサービスが候補です。本記事では、目的に合うアプリ・ソフトの選び方と、無料で試す際の注意点を整理します。

執筆: bestat 編集部


2D図面を3D化する方法は3種類

検索結果には、同じ「2Dから3D」という表現で異なる製品が並びます。最初に、手元の2Dデータが何かを分けてください。

入力する2Dデータ

欲しい3D

向いている方法

機械部品の三面図、PDF、DXF、DWG

寸法を持つ3D CADモデル

3D CADで手動モデリング、または図面認識AI

住宅・店舗の平面図

壁、部屋、家具を含む空間イメージ

間取り専用アプリ

キャラクターや製品コンセプトのイラスト

見た目を再現したメッシュ

画像から3Dを生成するAI

間取り図、機械図面、キャラクタースケッチが、それぞれ異なる種類の3Dモデルになる様子

機械図面は「見た目」ではなく寸法と形状を復元する

機械図面には、投影図だけでなく寸法、公差、断面、穴、表面性状などの指示があります。製造、加工、干渉確認に使うなら、単に似た立体が表示されるだけでは足りません。穴径や板厚を数値で変更でき、STEPなど下流で扱える形式へ渡せる3D CADモデルが必要です。

一般的な3D CADでは、2Dスケッチを作り、押し出し・回転・スイープなどの操作で立体を作ります。Autodesk Fusionの公式ヘルプでも、閉じたスケッチプロファイルを選んでソリッドを押し出す手順が説明されています(Autodesk「ソリッド ボディを押し出す」)。これは「図面を自動変換」する機能ではなく、人が図面を読み取って再モデリングする作業です。

間取り図は専用アプリなら自動化しやすい

間取りは、壁・窓・ドア・部屋という要素があらかじめ限定されています。そのため、平面図から壁を立ち上げ、家具を配置してウォークスルー表示する専用アプリがあります。

たとえばCoohomは、JPG・PNG・PDFの平面図を読み込み、壁と部屋を認識して3D空間にする機能を案内しています。ただし、公式ページは作成した3Dを「家づくりの検討やイメージ共有」のためのものと位置づけ、建築確認申請に使う正式図面ではないと明記しています(Coohom 3D間取り作成ツール)。

イラストからの3D生成は設計用CADとは異なる

1枚のイラストや写真から3Dを生成するAIは、ゲーム、CG、提案用ビジュアルに向いています。一方、画像には見えていない背面や内部の寸法がありません。AIは不足部分を推定するため、元図面どおりの機械部品を保証する方法にはなりません。

画像生成系を探している場合は、テキスト・画像・スケッチのどれを入力するかに加え、出力がメッシュかCADソリッドかを確認してください。

2D図面から3D CADモデルができるまで

機械図面の3D化では、入力から出力までに5つの工程があります。

  1. 正面図・平面図・側面図と断面図の対応を読む

  2. 寸法線、中心線、隠れ線、注記を形状から分ける

  3. 基準形状を押し出し・回転などで作る

  4. 穴、溝、面取り、フィレットなどの形状を追加する

  5. 元図面と照合し、指定形式へ出力する

三面図から形状の対応を読み取り、編集可能な3D CADソリッドへ変換する工程

自動変換AIが短縮するのは、主に1〜4のモデリング工程です。5の照合は人に残ります。図面に曖昧な箇所や矛盾があれば、ソフトは設計者の意図を一意に決められないためです。

一面図を押し出すだけでは三面図を読んだことにならない

正面の輪郭に厚みを付ければ、立体はすぐ表示できます。しかし、側面図にだけ現れる段差や、断面図にだけ示される内部穴は反映されません。「3Dになったか」ではなく、各投影図に固有の形状がモデルに入っているかを確認します。

PDF・画像・DXFでは読み取りやすさが違う

DXFやDWGに線や円弧がベクタとして残っていれば、画像から輪郭を抽出する工程を省けます。一方、紙をスキャンしたPDFや写真は、傾き、かすれ、汚れ、手書き追記まで画像として含みます。線種の判別や寸法文字の認識に推定が増えます。

ベクタ図面、鮮明なスキャン、劣化した図面で3D化結果の確かさが変わる様子

形式名だけで自動化の可否は決まりません。PDFでも内部にベクタ線が残っている場合があり、DXFでも単位やレイヤーが整理されていない場合があります。拡張子ではなく、線がベクタとして残っているか、単位やレイヤーがそろっているかを確認します。

2D図面の3D化に使えるアプリ・ソフト比較

用途の違う製品を点数で順位付けすると、選び方を誤ります。ここでは「何を自動化できるか」で比較します。

アプリ・ソフト/サービス

主な用途

2D図面からの作り方

無料利用の主な条件

注意点

3D.Core CAD Agent

既存の機械図面を3D CAD化

AIが図面を読み取り、モデル生成・対話調整

要問い合わせ

出力の寸法・形状確認は必要

Autodesk Fusion

機械設計、加工

図面を見ながらスケッチし、手動でモデリング

個人・非商用などの資格条件あり

「図面の自動変換」ではない

FreeCAD

機械設計の学習、内製

Sketcher/Part Designで手動モデリング

オープンソース

運用・教育・サポート体制を自社で用意

Onshape

ブラウザでの共同設計

2Dスケッチから手動モデリング

Freeは非商用、ドキュメント公開

機密図面をFreeで扱わない

Cadrio3D

iPhone/iPadでの作図・3D CAD

スキャンを下絵にして手動モデリング

基本無料、保存・書き出しに制限

自動認識ではなく下絵利用

Coohom

住宅・店舗の間取り

平面図の壁・部屋を認識して3D化

Freeプランあり、商用利用等は有料

機械部品や正式な申請図面向けではない

掲載内容は2026年9月時点の各公式情報に基づきます。プランと対応形式は変更されるため、導入時は公式ページで再確認してください。

3D.Core CAD Agent:既存の機械図面をAIで3D化

bestatの3D.Core CAD Agentは、2D図面を読み取り、3D CADモデルの生成と対話形式での調整を進めるサービスです。2026年2月の公式発表では、2D図面のアップロードから図面理解、3D CADモデル生成、対話による調整を扱うサービスとして案内しています(bestat公式発表)。

向いているのは、過去図面が多数残っており、CAD担当者が1点ずつ再モデリングする時間を減らしたい場合です。新規設計を行う汎用CADの代わりではありません。元図面との照合、設計意図、公差を含む受け入れ判断は設計側が担当します。

Autodesk Fusion:手動で正確な3Dモデルを作る

Fusionは、2Dスケッチに寸法や拘束を与え、押し出し・回転などで3D形状を作れる統合型CADです。図面を読める担当者が少量の部品をモデリングし、その後の加工までつなげたい場合に向きます。

個人用の無償版は、非商用の個人プロジェクト向けの機能限定版です。Autodeskは年間総収益1,000米ドル未満などの条件と、1年単位の更新を案内しています(Autodesk Fusionとは)。会社の図面を扱う場合は、価格だけでなく利用資格を確認してください。

FreeCAD:ライセンス費用を抑えて手動モデリング

FreeCADはオープンソースの3D CADです。公式マニュアルでは、Sketcherで断面を作り、Part DesignのPadでソリッドを押し出す流れが説明されています(A FreeCAD manual)。導入費を抑えて学習・検証したい場合に使えますが、図面を入れるだけで自動的に完成する製品ではありません。

業務利用では、バージョン管理、社内教育、障害時の対応、出力形式の確認まで含めて評価します。

Onshape:ブラウザで共同編集したい

Onshapeは、ブラウザとモバイルアプリから利用できるクラウドCADです。複数人での同時編集やバージョン管理を重視する場合に向きます。

ただし公式価格ページによると、Free Planは非商用限定で、すべてのOnshapeドキュメントが公開されます(Onshape Plans and Pricing)。公開できない機械図面の試用先としてFree Planを選ばないでください。

Cadrio3D:iPhone・iPadで下絵から作る

Cadrio3Dは、iPhone/iPadで2D作図と3Dソリッドモデリングを行うアプリです。スキャン画像を下絵として置き、既知の2点間寸法で縮尺を合わせられます。DXF、STEP、STLなどにも対応します(App Store「Cadrio3D」)。

ただし、下絵の輪郭や寸法を自動で解釈するのではなく、ユーザーが形状を作ります。無料版はアプリ内保存が1件までで、ファイル書き出しはPro機能です。

Coohom:間取りを3Dで確認したい

Coohomは、平面図から壁や部屋を認識し、家具を配置して完成イメージを確認する用途に適します。無料プランでも間取り作成、3D化、標準画質レンダリングを使えると案内していますが、高解像度出力や商用利用は有料です。

機械図面の3D CAD化とは目的が異なります。「図面」という言葉が同じでも、住宅のプレゼン用3Dと製造用ソリッドを置き換えることはできません。

無料アプリを選ぶ前に確認する5項目

無料かどうかは、ダウンロード価格だけでは判断できません。試用前に次の5点を確認します。

1. 商用利用できるか

「無料」は、非商用限定、教育限定、期間限定、オープンソースのいずれかです。業務図面で試すなら、会社での利用と成果物の商用利用が認められているかを規約で確認します。

2. 図面が公開・学習利用されないか

クラウドへ図面をアップロードする場合、保存場所、第三者提供、AI学習への利用、削除時期、管理者権限を確認します。Onshape Freeのように成果物の公開を前提とするプランもあります。機密図面は、試用だからという理由で公開環境へ入れないでください。

3. 必要な形式で出力できるか

画面で3Dが見えても、STEP、IGES、Parasolidなどを出力できなければ下流のCADへ渡せません。STLやOBJは表面を三角形で表すメッシュ形式で、寸法拘束やフィーチャ履歴をそのまま持つ形式ではありません。

4. 寸法を編集できるか

必要なのが提案画像なら、見た目が合えば十分です。設計変更や加工に使うなら、穴径、中心間距離、板厚を数値で変更できるかを見ます。測定値が表示できることと、寸法で形状を制御できることは別です。

5. 2枚目でも同じ品質になるか

デモに使われる鮮明な図面だけで決めず、自社の典型的な図面と難しい図面を混ぜて試します。変換できた枚数、手直しが必要だった枚数、1枚あたりの確認時間を分けて記録してください。

業務で使えるかを判定する手順

AIが生成した3D CADモデルを設計者が元図面と照合している様子

手順1:用途と受け取る人を決める

「3D化する」だけでは要件になりません。干渉確認、加工、見積、3Dプリント、営業説明のどれに使うかを決めます。次に、完成したデータを実際に開く担当者とCAD環境を決めます。

手順2:代表図面を5〜10枚選ぶ

単純な押し出し形状だけでなく、断面図、幾何公差、溶接記号、手書き追記、かすれたスキャンを含む図面を選びます。対象全体の難易度を反映しない1枚だけの成功では、工数削減を判断できません。

手順3:形状・寸法・出力を照合する

最低限、次を確認します。

  • 正面・側面・平面・断面に固有の形状が反映されている

  • 基準寸法、穴径、中心間距離、板厚が元図面と一致する

  • 穴、ねじ、面取り、フィレット、溝の種類が正しい

  • 単位と座標方向が正しい

  • 受け取り側のCADで開き、必要な編集や測定ができる

手順4:自動処理と手直しの時間を分ける

処理待ち時間だけでなく、前処理、モデル確認、修正、形式変換の時間を測ります。従来の手動モデリング時間と、同じ対象・同じ完成条件で比較すると投資判断に使えます。

少数の代表図面から3D生成、確認、承認済みデータ管理へ進む検証フロー

図面状態ごとの自動化範囲や、内製・AI・外部サービスの比較はCAD AI自動化はどこまでできるかも参照してください。

よくある質問

2D図面を読み込むだけで自動的に3D化できますか?

間取りのように対象要素が限定された図面や、対応範囲を定めたAIサービスでは可能です。汎用3D CADは、図面を下絵やスケッチとして読み込めても、通常は人が押し出し・回転などの操作を行います。製品ページの「2Dと3Dに対応」が、自動変換を意味するとは限りません。

スマホだけで2D図面を3D化できますか?

簡単な間取りや、タッチ操作による手動モデリングはできます。機械図面の場合、スマホアプリでも寸法入力やSTEP出力に対応する製品はありますが、複雑な三面図を小さな画面で確認・修正する作業には向き不向きがあります。PCのCADとの受け渡しまで試してください。

PDF図面からSTEPを作れますか?

可能ですが、PDFをSTEPへ単純に形式変換する処理ではありません。PDF内の投影図と寸法を読み、3D形状を再構築したうえでSTEPへ出力します。ベクタPDFかスキャン画像か、三面図と寸法がそろっているかによって工数が変わります。

無料の3D CADを会社で使えますか?

製品ごとに異なります。Fusionの個人用ライセンスは非商用の個人利用向けです。Onshape Freeも非商用限定で、ドキュメントが公開されます。FreeCADのようなオープンソース製品は別の条件ですが、サポートや運用体制を自社で決める必要があります。必ず最新のライセンスを確認してください。

AIで作った3Dモデルはそのまま製造に使えますか?

そのまま使う前提にはしません。元図面との形状・寸法照合、単位、材質、公差、加工に必要な情報を設計者が確認します。AIはモデリング工数を短縮できますが、設計承認や品質保証の責任まで自動化するものではありません。

まとめ

2D図面を3D化するアプリ・ソフトは、入力と用途から選びます。

  • 間取りを立体で確認したい:間取り専用アプリ

  • イラストをCG用の形にしたい:画像から3Dを生成するAI

  • 少数の機械部品を自分で設計したい:3D CADで手動モデリング

  • 既存の機械図面を多数3D化したい:図面認識型のAIサービス

無料ツールを試す際は、商用利用、データ公開、出力形式、寸法編集、再現性の5点を確認します。画面に立体が出たことではなく、元図面と一致し、受け取り側の環境で使えることを完了条件にしてください。

既存図面の枚数が多く、手動モデリングの工数が課題なら、代表図面と希望する出力形式を整理したうえで相談できます。


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bestat 編集部について

bestat株式会社は、東京大学 松尾研究室発の産業用3Dデータに特化したAIスタートアップです。製造業・インフラ・土木の現場で、画像・動画・点群・360度動画など、現実空間で取得される多様なデータを高精度に3D化し、取得・生成・処理・活用までを一気通貫して支援する「3D.Core」シリーズを開発・提供しています。https://bestat-data.com/3dcore


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