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CAD拡張子の一覧と見分け方|dwg・dxf・jww・sfcの違い

CADの拡張子は .dwg、.dxf、.jww、.sfc、.p21 と種類が多く、届いたファイルをそのまま開けるかどうかは拡張子ごとに変わります。同じ拡張子でも開かないことがあるため、名前だけでは判断が付きません。
本記事では、2D図面で届くことの多い拡張子の一覧と見分け方、開けないときに確認する順序、変換で落ちる情報を整理します。3D形状のデータは選ぶ基準が別の系統になるため、ここでは分かれ方だけを示します。
執筆: bestat 編集部
CADの拡張子は何を表すか
拡張子が示すのは、どのソフトが書いた入れ物かということで、中身の書き方まで同じである保証にはなりません。役割で見ると、そのCAD専用の形式、CADをまたいで渡すための形式、公的な納品で決められた形式に分かれます。

図のように、拡張子は「作成環境で情報を保つ」「異なるCADへ渡す」「基準に沿って納品する」のどれを目的にするかで整理すると見分けやすくなります。
そのCAD専用の形式
そのCADが内部の表現をそのまま保存した形式です。作った環境で開けば、機能を落とさずに作業を続けられます。他社のCADで完全に読める保証はありません。
.dwg は AutoCAD の図面ファイルです。Autodeskの公式リファレンスは、DWGを「図面ファイルまたはブロック ファイル」と説明しています(Autodesk「AutoCAD 関連ファイルの拡張子リファレンス」)。
.jww は Jw_cad の図面ファイルです。公式サイトは Jw_cad を「Windows 10, 11に対応した2次元の汎用CAD」と説明しています(Jw_cad)。3D CADにも同じ位置づけの形式があり、.sldprt や .ipt や .catpart が該当します。
CADをまたいで渡すための形式
作った環境の外へ図面を渡すために決められた形式です。2D図面では .dxf が代表で、前掲のAutodeskリファレンスはDXFを「図面交換ファイル(ASCII またはバイナリ)」と説明しています。ASCIIで保存されたDXFはテキストなので、CADが手元になくても先頭の数行を読めます。
交換用の形式は、相手が開ける確率を上げるためのものです。渡す前と同じものが届くとは限らず、何が変わるかは「変換で落ちる情報」で扱います。3D形状にも .step や .iges といった交換用の形式がありますが、持てる情報の系統から違うため、選ぶ基準も別になります。
公的な納品で決められた形式
公共工事の電子納品では、渡す形式が基準で決められています。国土交通省の「CAD製図基準」(令和7年12月)は、対象とするCADデータのフォーマットをSXF(P21)形式と定め、これをZIP方式で圧縮したSXF(P2Z)形式も対象に含めています(CAD製図基準)。
拡張子でいえば .p21 と .p2z です。同じSXFには .sfc という形式もあり、両者の関係は後の節で扱います。
CAD拡張子の一覧
2D図面の形式と3D形状の形式は別の系統なので、まずどちらかを見分けます。次の表は2D図面で届くものを主にし、3D形状は最後の1行にまとめました。
拡張子 | 出どころ | 役割 | 受け取ったときの扱い |
|---|---|---|---|
.dwg | AutoCAD | そのCAD専用 | AutoCADか対応CADで開く。保存された版が新しいと開かないことがある |
.dxf | Autodeskが定めた交換用の形式 | 交換用 | 多くの2D CADで開く。渡らない情報がある |
.jww | Jw_cad | そのCAD専用 | Jw_cadで開く |
.jwc | Jw_cad | そのCAD専用 | .jww と同じCADの図面ファイル。どちらで保存したかを送り主に確認する |
.p21 | SXF(P21形式) | 電子納品用 | SXF対応のCAD、またはSXFビューアで開く |
.p2z | .p21 をZIP圧縮したもの | 電子納品用 | SXFビューアで開ける。ZIPとして展開もできる |
.sfc | SXF(SFC形式) | 受け渡し用 | SXF対応のCAD、またはSXFビューアで開く |
.sfz | .sfc をZIP圧縮したもの | 受け渡し用 | 同上 |
.dwf / .dwfx | AutoCAD | 閲覧・配布用 | Autodeskは「図面 Web ファイル」と説明。作図に使うなら元の図面ファイルを送り主に頼む |
CAD・スキャナなど | 閲覧・配布用 | 線が図形として記録されているか、画像だけかで扱いが変わる | |
.step .stp / .iges .igs / .stl / .sldprt など | 3D CAD・3D系ツール | 3D形状 | 系統が別。選ぶ基準も形式ごとに変わる |
同じAutoCADから出るファイルでも、図面そのものではないものが混ざります。前掲のAutodeskリファレンスは、次の拡張子をこう説明しています。
DWT: 図面テンプレート ファイル
DWS: 標準仕様図面ファイル
DST: 図面セット ファイルまたはシート セット ファイル
SV$: 自動保存図面ファイル
PLT: 印刷ファイル
開けないファイルが、そもそも図面ファイルではないことがあります。
SXF(.p21・.sfc)は何のための形式か
公共工事の電子納品で、CAD図面を特定のCADに依存せず受け渡すために決められた形式です。P21形式とSFC形式の2つがあり、納品に使う形式は基準で決まっています。
国土技術政策総合研究所の資料は、SXFがCADデータ交換標準開発コンソーシアム(SCADEC)で開発されたものだと記しています。同じ資料は、策定の背景を次のように挙げています(国土技術政策総合研究所資料 第403号・平成19年5月)。
公共事業では、特定のCADソフトに依存しないデータ交換が必要だった
広く流通しているDXFでは、完全なデータ交換ができない
WTO政府調達協定を履行するうえで、国際規格に準拠したデータ形式の利用が必要だった
2つの形式の関係は、国土交通省の運用ガイドラインが明記しています。
SXF 形式には、P21 形式と SFC 形式があります。P21 形式は、国際標準である ISO 規格に準拠したものです。SFC 形式は、P21 形式を簡略的に表現した形式で ISO 規格には準拠していません。(国土交通省「CAD製図基準に関する運用ガイドライン」令和7年12月)
同じガイドラインは、P21形式の図面ファイルをZIP方式で圧縮したものをSXF(P2Z形式)、SFC形式を同じように圧縮したものをSXF(SFZ形式)と呼んでいます。拡張子が .p2z や .sfz で届くのは、この圧縮を経ているためです。
SFC形式を受け取る場面もあります。ガイドラインは、SXF Ver.2.0で1つの図面に複数のラスタ画像を添付できない場合の対応として、受発注者協議によりSFC形式を利用してファイルサイズを軽減する方法を挙げています。納品の既定はP21形式で、SFC形式は協議による例外の側にあります。
SXFビューアは表示だけを行う
.p21 や .sfc が届いたとき、編集できるCADを探す前に、表示だけを目的にしたソフトで中身を確かめられます。電子納品に関する要領・基準のサイトは、SXFブラウザを「SXFファイル(P21形式のファイルおよびSFC形式のファイル)を表示・印刷し、CAD図面の電子納品における目視確認を支援するためのソフトウェアです」と説明しています。あわせて「CADソフトと違い、図面を表示する機能のみで、編集の機能はありません」と書かれています(電子納品に関する要領・基準「SXFブラウザとは」)。
運用ガイドラインは、同じCADデータでもCADソフトによって表示が異なるおそれがあるとして、受発注者ともにSXFビューア等で目視確認を行うよう求めています。ビューアはP21形式とP2Z形式に加え、SFC形式とSFZ形式も表示できると書かれています。
拡張子が同じでも開けない理由
拡張子は、中身の書き方を1つに決めていません。同じ拡張子でも、書いた規則やバージョンが違えば読み込みは通らないことがあります。
バージョンが違う
SXFにはレベルとバージョンがあり、運用ガイドラインは、SXF Ver.3.0以上のファイルをSXF Ver.2.0対応のソフトで読み込んだときに、情報の欠落などで正しく受け渡しができない場合があると注意しています。拡張子は同じ .p21 でも、書かれたバージョンが違えば結果が変わります。
DWGとDXFにも保存時の版があります。新しい版で保存されたファイルを古い環境で開こうとすると、読み込みが止まることがあります。版を受け取り側で下げると、その版に無いデータが落ちても気づけないため、発行元へ版を指定して出し直してもらうほうが確実です。
拡張子を書き換えても中身は変わらない
ファイル名の末尾を .dxf や .jww に書き換えても、中の書き方は変わりません。拡張子は、どのソフトで開くかをOSが判断するための名札です。中身が別の規則で書かれていれば、名札を付け替えたところで読み込みは通りません。

拡張子の変更は名前の付け替えにすぎず、別のCAD形式へ変えるには、対応ソフトで開いて書き出すなどの変換処理が必要です。
書き換えが効くのは、送られてくる途中で拡張子が変わってしまった場合だけです。メールソフトやブラウザがファイルの種類を判定して .txt を付けたようなときは、元の拡張子へ戻せば開きます。
開けないときに確認する順序
変換の手段を探す前に、送り主が何のソフトで作り、他にどの形式で出せるかを聞きます。変換を重ねるほど渡らない情報が増えるため、上流で形式を替えるほうが確実です。

図の1から5へ進むと、ファイル自体の問題、作成環境との不一致、用途に対する情報不足を切り分けられます。
拡張子を1文字ずつ読む。.p21 と .p2z、.sfc と .sfz、.dwg と .dwf は末尾しか違わない
送り主に、何のCADのどの版で保存したかを聞く
送り主が他にどの形式で出せるかを聞き、自分の環境で読める形式を1つ伝える
電子納品のSXFなら、SXFビューア等で開いて図面が表示されるかを確かめる
見るだけでよいのか、測る・編集する・3D化に使うのかを決める
1から4までで、読める環境が無いのか、版が合っていないのか、そもそも図面ファイルではないのかが分かれます。5を先に決めておくと、どこまで直してもらうかを送り主へ具体的に頼めます。
表示できたことと、その用途に足りることは別です。閲覧だけなら図面が読めれば足ります。編集や加工へ回すなら、レイヤや寸法が編集できる形で残っているかまで見ます。
変換で落ちる情報
形は渡っても、レイヤ、線種、線幅、文字、寸法の持ち方は形式をまたぐと変わることがあります。何が渡るかは、変換先の形式が何を持てるかで決まります。

全体の形が残っていても、図面を編集・再利用するための情報が同じ状態で渡るとは限りません。
渡せる範囲は、形式の仕様として決められています。SXFの場合、国土技術政策総合研究所の資料が、SXFレベル2 Ver.2.0で扱える要素を3つに整理しています。用紙・レイヤ・線種・色・線幅・文字フォントからなる図面構造、点マーカや線分や円などの幾何/表記要素、寸法線やハッチングなどの構造化要素です。
同じ資料には、既定義の線種がJIS Z 8312:1999(ISO 128-20)に基づく15種類、既定義の色が16色と記されています。これに加えてユーザ定義の線種と色を持てるとも書かれています(平成19年5月時点の資料)。仕様に無い表現は、近いものへ置き換わるか、渡らずに消えます。元の図面がその範囲に収まっていれば、変換で変わる箇所は少なくなります。
形式をまたいだときに変わりやすいのは、次の項目です。
レイヤ名と、レイヤの分け方
線種・線幅・色
文字のフォントと文字コード
寸法値と図形の関連付け
ハッチングや塗りつぶしの表現
外部参照やブロックの参照
運用ガイドラインも、SXF(P21)形式やSXF(P2Z)形式へ変換する際のデータ欠落と、CADソフトによる表現の違いがあるおそれを明記しています。そのうえで、受発注者ともにSXFビューア等で目視確認を行うよう求めています。
どこが変わるかは図面ごとに違うため、代表的な図面を1枚選んで確かめます。変換の前後を同じ縮尺で並べて見ると、置き換わった線種や消えた要素が見つかります。電子納品でなくても、この確認は同じように使えます。
3D化の元にするなら形式に何が要るか
3Dの元にできるかどうかは、拡張子の名前では決まりません。線が図形として記録されているか、画像として記録されているかで分かれます。
.dxf や .dwg や .jww のように、線が線分や円弧の座標として保存され、寸法値が文字として保存されている図面は、機械が形を読み取る対象になります。紙をスキャンしたPDFや写真では、線も寸法値も画素の並びなので、1本の線がどこからどこまでかは推定になります。図面の状態と読み取りの関係は、CADのAI自動化はどこまでできるかで詳しく扱っています。
よくある質問
知らない拡張子のファイルが届いたら、どう調べればよいですか。
拡張子を検索する前に、送り主へ何のソフトで保存したかを聞くほうが速く済みます。同じ拡張子を複数のソフトが使っている場合があり、名前だけでは開く環境が決まりません。連絡が取れないときは、綴りを正確に読み、圧縮形式である .p2z や .sfz でないかを確かめます。テキストとして読める形式なら、先頭の数行に形式名やバージョンが書かれていることがあります。
DXFファイルをJWWに変換できますか。
DXFをJw_cadで開き、.jww で保存する形になります。Jw_cadの公式サイトは、DXF出力への対応と、SXFの入出力への対応を記載しています(Jw_cad「著作権について」)。
開けるかどうかは、DXFが保存された版に左右されます。公式の更新履歴には、DXF2010形式の出力に対応した際、「これに合わせて2010形式の一部の読み込みに対応した」と記されています(Jw_cad「バージョン情報」)。開けないときは、発行元へ版を確認し、古い版で出し直してもらいます。
開けた場合も、何が変わったかを見ます。線種、文字、寸法の見え方は形式をまたぐと変わることがあるため、元のDXFを別のビューアで開き、同じ図面を並べて比べます。
一般的に使われているCADの拡張子はどれですか。
2D図面に限ると、軸になるのは3つです。CADの保存形式である .dwg と .jww、CADをまたいで渡すための .dxf です。公共工事の電子納品では、SXF(P21)形式が基準で定められており、拡張子は .p21 と、圧縮した .p2z になります。一般的かどうかで渡す形式を決めると、相手が開けない事故が残ります。決め手になるのは相手の環境です。
まとめ
拡張子が示すのは、どのソフトが書いた入れ物かということです。同じ拡張子でも、版や書いた規則が違えば開かないことがあり、名前を書き換えても中身は変わりません
2D図面の形式は、そのCAD専用、CADをまたいで渡す交換用、電子納品で決められた形式に分かれます。公共工事の納品はSXF(P21)形式が基準で、SFC形式は協議による例外の側にあります
開けないときは、変換の手段より先に送り主へ確認します。変換で何が変わったかは、変換の前後を同じ縮尺で並べて見ます
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bestat 編集部について
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