2026.09.01

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3Dデータ 拡張子一覧|メッシュ・ソリッド・点群の違いと選び方

3Dデータには、STEP、IGES、STL、OBJ、PLYなど多くの拡張子があります。同じ3Dデータでも、形状の持ち方や保存できる情報、対応ソフトは形式ごとに異なります。

本記事では、主な3Dファイル形式の特徴と、用途に合った拡張子の選び方を整理します。

執筆: bestat 編集部

3Dデータの拡張子一覧

3D形状のデータは、メッシュ系、ソリッド系の中間形式、点群系、BIM系の大きく4系統に分かれ、ここにCADごとのネイティブ形式が加わります。

系統が決まれば、持てる情報の範囲も決まります。たとえば三角形の集まりに公差は入りません。拡張子が表すのは系統の中の表記の違いなので、拡張子を覚えても系統の差は埋まりません。

次の表には判断に必要な列だけを残しました。ファイルサイズや対応ソフト数の一般値は、自社の環境で測るほうが確実なので載せていません。

3Dデータ拡張子の種類

系統

代表的な拡張子

形の持ち方

一緒に持てる情報

標準化の状況

よく渡す相手

ネイティブ形式

.sldprt / .prt / .ipt / .catpart

CADの内部表現

設計履歴・拘束

ベンダー固有(公開仕様なし)

同じCADを使う相手

ソリッド系の中間形式

.step .stp / .iges .igs / .x_t .x_b / .jt

面と稜線を式で持つ

編集できる形状。AP242 は公差・注記も対象

STEP AP242 は ISO 10303-242

社内設計・協力会社・解析

メッシュ系

.stl / .obj / .ply / .fbx / .3mf / .glb .gltf

三角形の面の集まり

形。色は形式による

glTF 2.0 は ISO/IEC 12113:2022

造形・閲覧・非専門の関係者

点群系

.las .laz / .e57 / .pts .xyz

点の座標の集まり

反射強度・分類は形式による

LAS 1.4・LAZ 1.4 は OGC Community Standard

測量業者・保全部門

BIM系(建設・土木)

.ifc(.ifcXML .ifcZIP)/ .rvt

部材とその関係

部材の種類・属性・関係

IFC 4.3 は ISO 16739-1:2024

建設会社・設計事務所

2D図面の形式(.dxf や .dwg)は3D形状のデータではなく、選ぶ基準が別になるため、この表に入れていません。.jt は例外で、軽量表示にも使われ、面の式と三角形の両方を持てます。

ネイティブ形式と中間形式の違い

ネイティブ形式は、そのCADが内部表現をそのまま書き出したファイルです。設計履歴や拘束まで残るため、同じCADの同じ版で開けば作業を続けられます。公開された仕様がないため、他社のCADで完全に読める保証はありません。中間形式は、CADをまたいで形状を渡すために決められた形式です。

渡るのは形状と、形式が定めた範囲の付帯情報だけです。設計履歴は渡りません。.iges(.igs)は、STEP より古くから使われてきた中間形式です。

ネイティブ形式は作業を続けるためのファイルです。中間形式は渡すためのファイルです。同じCADでも版が古いと開かないことがあるため、渡す前に相手の版を確認します。

メッシュ系とソリッド系の違い

系統が違うと、ファイルの中に入っているものが変わります。メッシュ系が持つのは、表面を覆う三角形の頂点とその繋がりです。ソリッド系の中間形式が持つのは、面と稜線の式です。

中身が詰まった立体として扱えます。この差が変換の向きを決めます。ソリッドからメッシュへは、曲面を三角形に割るだけなので自動で通ります。

逆にメッシュからソリッドへ戻すには、面の式を推定し直す作業が要ります。自動では戻りません。渡す前に系統を決める理由は、この非対称性にあります。

データ上で形をどう表現しているのか

国土交通省 国土技術政策総合研究所の手引きは、ソリッドを「立体の形状をデータとして表現する方式の一つであり、対象を中身の詰まった物体として表現したものを言う」と定義しています。TIN は「X、Y、Z の 3 次元情報を持った点と線が、重複のない三角形の集まりとして配列された三角形網」です(国土技術政策総合研究所)。土木・インフラ向けの手引きです。ただし、系統の分かれ目はこの2つの定義の差に出ています。

差は編集のしやすさに直結します。中身が詰まった立体なら、穴の径を変える操作や、断面を切っての寸法測定がCADの機能で通ります。三角形の集まりでは、同じ操作が三角形を1枚ずつ動かす作業になります。

同じフランジ部品を左右に並べ、左は曲面が三角形に割られ、右は滑らかな曲面と断面の稜線を描いた対比図

変換の向きで難易度が変わる

ソリッド系からメッシュ系へ出すときは、曲面を三角形で近似します。この時点で面の式と稜線の情報が消えます。消えた情報は、同じファイルを読み直しても復元されません。逆向きで必要になるのは、三角形の集まりに面を当て直す作業です。

円筒や平面なら自動で拾えます。自由曲面では、人が張り直す判断が必要になります。メッシュしか手元にないなら、面を張り直す工程を1つの作業として見積もります。

変換で何が落ちたかを、一般論で決めることはできません。既知の寸法を1箇所決め、変換前と変換後で同じ値が読めるかを確認します。会議で形を見せるだけなら外形で足り、加工へ渡すなら図面の公差に収まっているかが判定になります。

3Dデータ形式の選び方

3Dデータ形式を選ぶときは、まず相手の利用環境を確認します。同じCADを使っている相手にはネイティブ形式、異なるCADには中間形式、CADを持たない相手には軽量な閲覧用形式が基本です。

次に、「見る・測る・編集する・造形する」のうち、何に使うのかを明確にします。用途によって、データに含めるべき情報が変わるためです。さらに、保管期間を考慮して、正本として残す形式を決めます。数週間で役目を終えるデータと、設備の寿命まで保管するデータでは、適した形式が異なります。

3Dデータ形式が複数の系統に分かれているのは、そもそも形の表し方が違うからです。CADデータは形状を数式で表現し、3Dプリンタ用データは表面を三角形の集合として持ちます。一方、測量機から得られるデータは、点の座標の集まりです。

つまり、形式を選ぶ前に確認すべきことは、次の4点です。

  1. 相手はどの環境で使うのか

  2. データを何に使うのか

  3. どの情報を残す必要があるのか

  4. どのくらいの期間保管するのか

このうち一つでも決まっていない項目があれば、拡張子を比較する前に、まずその条件を明確にするほうが効率的です。選択の中心となるのは形式の「系統」であり、個々の拡張子の違いは、多くの場合、同じ系統内での仕様や対応ソフトの違いにすぎません。

3D形状データの幹から4本の枝が分かれ、三角面の部品・滑らかな面の断面・点群の設備・色分けした構造物が並ぶツリー図

開けない・寸法が合わないときの原因

開けない、寸法が合わないの大半で、ファイル自体は壊れていません。拡張子から中身を推測したまま開こうとしたときに起きます。起きていることは3つです。

第1に、その拡張子を読める環境を相手が持っていない。第2に、拡張子が同じでも中を書いた規則が違う。第3に、単位や座標系の情報がファイルに入っていない。

1つ目は相手の環境の話なので、形式を変えれば解決します。2つ目と3つ目は形式を変えても残るため、渡すときに何を添えるかで潰します。

拡張子が同じでも中身が違う

拡張子は、中身の書き方を1つに決めていません。.prt は Siemens NX のネイティブ形式であり、PTC Creo のネイティブ形式でもあります。中の書き方が違うため、片方のCADで他方のファイルをそのまま開けるとは限りません。

.ifc も同じです。buildingSMART International によると、IFCデータの保存先は .ifc ファイル(STEPのファイル形式)や .ifcXML です。そのうえで、IFC規格の本体をデータスキーマと明記しています。

オブジェクトとその属性や関係の整理のしかたを示すものです(buildingSMART International)。拡張子が示すのは入れ物の名前です。中身の保証にはなりません。

1つの現場から、性質の違うデータが同時に出てくることもあります。稼働中の工場で行った実証では、工場全体をFARO製3Dスキャナーで計測しました。一部の設備についてはスマートフォンで撮影し、両方を併用しました(note「Monthly bestat 3月号」)。

取得の手段が違えば、出てくるファイルの中身も変わります。この状態で「工場の3Dデータ」と一言で呼んで渡すと、受け取る側が開くものと期待していたものがずれます。どの範囲を何で取ったのかまで添えます。

単位と座標系は形式に付いてこないことがある

寸法が10倍や1000分の1で入ってくる場合、形状そのものは正しく、単位の解釈だけが食い違っています。形式によって単位系の情報を持たないものがあり、読み込む側が既定値を当てます。座標系と原点も同じです。据付位置を基準にした座標のデータを原点の情報なしで渡すと、受け取った側が自分の基準で置き直します。

確かめ方は単純です。受け取ったファイルで既知の寸法を1箇所測ります。図面や実測と一致すれば単位は合っています。ずれていれば、倍率を推測する前に送り主へ単位を聞きます。

3Dファイルの中身を4つの区画で示し、形と属性に中身があり、単位と座標系の区画が空になっている解剖図

開けないファイルを受け取ったときに最初に確認すること

開けないファイルを前にして、変換の手段を探すより先に確認することが2つあります。

  • 送り主が何のソフトで作り、どの形式で書き出したのか

  • 送り主が他にどの形式で書き出せるのか

相手がソリッド系の中間形式で出せるなら、こちらで変換する必要はありません。自社のCADが読める形式を1つ伝えて出し直してもらうほうが情報が落ちません。変換を挟むたびに落ちる情報が増えるため、上流で替えるのが原則です。社内に読める環境がない場合は、閲覧用の軽い形式で別に1本もらいます。

渡すときに決めること

形式を決めただけで、受け渡しが安定するわけではありません。形式が運ぶ情報の外側に、決めておくことが残ります。単位、座標系と原点、そのデータで何をしてよいか、そして正本の置き場です。

渡すたびに口頭で補っていると、担当が変わった時点で崩れます。取り決めは2つに分けます。1つはファイルごとに添える項目です。

もう1つが正本の置き場で、部門で1回決めます。社外へ出す形式を新しく決めるときは、情報システム部門の確認が要ります。

データに添える4項目

  • 単位: ミリメートルかインチか。ファイルが単位を持たない場合に効きます

  • 座標系と原点: どこを原点に、どの向きで作ったか。据付の基準があるなら明記します

  • 想定用途: 見る、測る、編集する、造形するのどれを想定して出したか

  • 作成元の形式と版: 何のCADのどの版から、どの形式へ書き出したか

4項目は、メール本文か添付のテキストに書きます。ファイル名に詰め込むと、渡した先で名前が変わった時点で消えます。

正本を1つに決める

形式の取り決めができているかは、1問で判定できます。「いま最新の形状データはどのファイルですか」を、担当者2人に別々に聞きます。答えが違うなら、決まっていないのは正本の場所です。この状態でどの形式を選んでも、受け渡しのたびに手戻りが出ます。

2人の答えが一致していて、それでも止まっているなら、そこは形式の話として詰めてよい段階です。単位、座標系、想定用途のどれが抜けていたかを1件ずつ潰します。

正本を決めると、渡し先ごとの形式は正本からの書き出しになります。書き出したファイルを直して返す運用にすると、正本が2つになります。

中央の正本ファイルから社内設計・加工・関係者・保管の4方向へ流れが伸び、戻り矢印のない配布図

よくある質問

一般的に使われている3Dデータの拡張子はどれですか?

「一般的」の答えは用途で変わります。CADをまたいで形状を渡すために決められた形式が STEP(.step / .stp)です。造形や閲覧に向くのはメッシュ系で、.stl と .glb が代表です。測量から届く点群は .las や .laz です。

建設・土木の部材情報なら .ifc です。一般的かどうかで選ぶと、相手が開けない事故が残ります。決めるのは相手の環境と用途です。

.x_t は何のファイルで、何で開けますか?

.x_t は Parasolid 形式のテキスト版で、.x_b が同じ形式のバイナリ版です。Parasolid は複数のCADが採用している形状カーネルで、面と稜線を式で持つソリッド系の形状が収められています。開くには Parasolid を読める環境が必要です。自社で読めないなら、送り主へ STEP で出し直せるかを聞くほうが速く、情報も落ちません。

メッシュ系のツールで作った3Dデータを STEP にできますか?

拡張子を STEP にできる場合もあります。ただし、中身がソリッドに変わるわけではありません。三角形の集まりから面の式を推定し直す作業が必要です。

相手が形を見るだけ、または造形するなら、メッシュ系のまま渡して足ります。相手がCADで寸法を編集するなら、面を張り直すか、元の寸法からCADで作り直すほうが速いこともあります。

3Dスキャナーから直接STEPで出力すれば、CADで編集できますか?

出力できても、CADで作った形状と同じようには扱えないことが多くなります。スキャナが取るのは表面の点です。そこに張った面の分割や稜線が設計意図どおりに並ぶとは限りません。

穴の中心や基準面が1枚の面として扱えなければ、寸法を変える操作が通りません。編集を前提にするなら、面を張り直す工程を作業として見積もります。

拡張子が同じなのに開けないことがあるのはなぜですか?

拡張子が中身の書き方を1つに決めていないためです。.prt は Siemens NX と PTC Creo の両方がネイティブ形式に使っています。同じ拡張子でも中の規則が違います。

同じ形式でも版が違えば読めないこともあります。確認するのは、送り主が何で作り、どの形式で書き出したかです。

まとめ

上から順に自社の条件を当てはめ、最初に該当した行を採ります。

相手・条件

渡す形式の考え方

相手が自社と同じCADを使う

ネイティブ形式。版を揃える(相手の版が古いと開かない)

相手が別のCADで形を編集する

ソリッド系の中間形式

相手は寸法を測るが編集しない

メッシュ系の軽量形式に、単位と座標系を添える

相手はCADを持たず、見て確認するだけ

メッシュ系の軽量形式。開き方まで指定して渡す

相手が造形する

造形側が指定する形式に従う。指定が無ければ1問だけ聞く

5年後・10年後に開く必要がある

正本を国際規格の形式で残す。ネイティブ形式だけで残さない

相手が測量業者・保全部門で、元が点群

点群系のまま渡し、座標系と単位を書き添える


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bestat 編集部について

bestat株式会社は、東京大学 松尾研究室発の産業用3Dデータに特化したAIスタートアップです。製造業・インフラ・土木の現場で、画像・動画・点群・360度動画など、現実空間で取得される多様なデータを高精度に3D化し、取得・生成・処理・活用までを一気通貫して支援する「3D.Core」シリーズを開発・提供しています。https://bestat-data.com/3dcore

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